北海道の山岳研究 −日本国内の極域環境変化−
2025-03-04


 北海道大学・極域研究センターほかの主催で表記ミーティングが開かれました。開催場所は、北大地球環境科学研究院で、私はzoomで視聴しました。

 午前中は8件の一般研究発表で、午後は4件の特別講演がありました。いくつか紹介します。

 

猪又雅史氏:都市近郊山地における登山道地形の特徴と利用の分析 −札幌市藻岩山を例に− 

 

 トレッキングやトレイルランニングでの都市近郊山地の利用が増加しています。その弊害としては、1)登山道の荒廃、2)登山道の土壌侵食・堆積、3)登山道の泥ねい化、4)登山道の拡幅・複線化などがあります。これらの原因としては環境要因と人為的要因があります。

 そこで地形計測によるモニタリングとアンケート調査を行いました。

 藻岩山の登山道は、北北東に延びる尾根を登る慈恵会ルート、南東に延びる尾根を登るスキー場ルート、北ノ沢ルート、小林峠ルート、北西に延びる尾根を登る旭山ルートの5つがあります。山頂直下の馬の背と言われる鞍部が最も多くの人が利用する場所です。

 この場所で地形計測を行いました。ライダー測量で5cm解像度のオルソ画像を作成しました。

 慈恵会ルートは9割が北向き斜面で、泥ねい化が長く続きます。降雨・積雪・融雪によって登山道の拡幅が進んでいます。旭山ルートも同じような状況です。木製階段は登山者に嫌われているようです。小林峠ルートと北ノ沢ルートは利用レベルが低いです。


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[地質技術者のつぶやき]

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