日経XTECH(2024年11月22日1)によると、一般国道13号の福島西道路・浅川トンネル(延長1,767m)の工事が難航していて、予定していた2026年度の開通が困難になり、開通時期は未定だと言います。
NATM工法で掘進していて、2023年10月から2024年10月の1年間で530mの掘進とのことです。稼働日数を250日とすると1日2.1mの進行です。ごく一般的には、1日4mは掘進できますから、半分の掘進速度ということになります。
難航している原因は、大きな岩塊に遭遇し発破で小割しながら掘進しているためだそうです。同記事の切羽写真を見ると、岩塊は白灰色でデイサイト質の火山岩のように見えます。
浅川トンネルの地質は、地質図ナビでは第四紀更新世のカラブリアン(約180万年前〓約80万年前)のデイサイト・流紋岩 大規模火砕流となっています。
5万分の1地質図幅の「福島」は刊行されていませんが、南隣の「二本松図幅」の伏拝(ふしおがみ)岩屑なだれ堆積物に相当すると考えられます。 伏拝というのはJR東北本線南福島駅の南東約1kmにあります。
この岩屑なだれ堆積物は、安達太良火山噴出物の基底をなしています。二本松図幅を見ると、岩屑なだれ堆積物の発生源はJR東北本線松川駅の西、約11.5kmにある黒森山(標高760.4m)のようです。しかし、黒森山は安山岩から構成されていること、岩屑なだれを発生させた山体崩壊の地形が見られないこと、などの疑問があります。
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