本の紹介:経済史
2018-10-29


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小野塚 知二,経済史 いまを知り,未来に生きるために.2018年2月,有斐閣


非常に面白い本です.著者の博覧強記ぶりは驚異的です.


前近代の共同体と生産様式から始まって,ネオ・リベラリズムが台頭する現在までを述べています.このように長い目で歴史を見ることで,現在の社会が抱えている問題が浮き彫りになります.そして,未来をどう考えるべきかについて終章で述べています.


前近代,近世,近代,現代という時代の移り変わりがどのように進んだのか,説得力のある内容です.エンゲルスの「家族・私有財産・国家の起源」を思い起こさせる内容です.当然ですが,ずっと精緻で具体的です.


「本書の第三の使い道として、著者が密かに重視ているのは、学校教育をすでに一旦は終えて、現在は社会人として生きている方々に、現在を知り、未来を拓くために、本書を読んでもらうことです。」(本書、iX)

とあります.


グローバリズムとネオ・リベラリズムが世界を席巻している今,多くの社会人に読んで欲しい本です.

「よりよい社会とは何か」と言うことも含めて,よりよい社会を築くために何をしたら良いのかを考える材料を提供してくれます.



[地質技術者のつぶやき]

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