表記の講演会が2014年11月9日(日)午後1時から4時まで,長沼町の「りふれ」で開かれました。主催は,長沼町の「舞鶴遊水地にタンチョウを呼び戻す会」と「日本生態系協会」です。
この日は,長年付き合ってもらっていたボーリング屋さんの告別式が奈井江町であり,出棺を見届けてから国道12号を南下して,何とか時間までに会場に着きました。思っていたよりも多くの人が集まっていたのでびっくりしました。220人ほどの人が集まっていたようです。
会場の様子
地元の人だけでなく,遠くから来た方も多かったようです。若い人が多いのも印象的でした。
基調講演I:正富宏之氏(専修大学北海道短期大学 名誉教授)「タンチョウ その魅力と共存への課題」
基調講演II:渡辺竜五氏(佐渡市総合政策課長)「人とトキが共生する島づくり」
パネルディスカッション:「舞鶴遊水地にタンチョウがやってきたら」
正富宏之氏の話:
タンチョウは,1922年に学名としてGrus japonensisと命名されました。1781年頃の記録に「丹頂,殊に多し」と言う記事がありますが,明治になって狩猟が解禁となり,急激に数が減りました。明治の中頃にタンチョウの狩猟が禁止となりました。
様々なタンチョウの姿を紹介してくれました。
渡辺竜五氏の話:
2007年にトキの試験放鳥を行うことになりましたが,えさ場としての湿地が必要でした。そこで,江(え)を設置するよう農家に働きかけました。江は通年,水を抜かない水路のことで,水田に接して設けました。江を設けることによりドジョウなどのトキの餌となる生き物が殖えます。トキは松の木のてっぺんに巣を作るので,松食い虫の防除をどうするかも問題でした。
冬,田んぼに水を張る「ふゆみずたんぼ」を設けました。これによってカエルが産卵しやすくなります。そのほか,水田魚道,コンクリート水路に「ふた」をかけること,緑の畦をつくること(除草剤を使わない),調整水田をビオトープにすることなど様々な工夫を行いました。また,農薬や化学肥料を5割以上減らして米を栽培しています。
生物多様性を維持することによって,農業の価値を高め,食,命,風景,自然,集落,文化,祭りなどの価値を高めていく努力を行いました。
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*佐渡で江(え)と呼ばれている水路は,承水路(しょうすいろ)のこととしている資料があります。承水路は,「背後地からの水を遮断し、区域内に流出させずに排水するための水路。」(農林水産省 用語解説集ウェブ版)とされています。この説明では,ショートカット水路のことのようですが,何のことか分かりません。
当日配られた「佐渡地域 多様な生きものとの共生指針」(朱鷺と暮らす郷づくり推進協議会)に載っている江は,下ようになっています。
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