2006-04-06
ボーリング孔はトンネル掘削時に悪さをする
トンネルの地質調査では,できるだけ正確にトンネル断面の地山状況を知りたいので,トンネルセンターでボーリングをすることが多いと言えます.でも,地質状況の悪いトンネル坑口などでは,トンネル掘削のことを考えるとトンネル断面にボーリング孔がない方が望ましいと言えます.
状況としては,坑口が地すべり土塊中にある場合,破砕帯や変質で地山が著しく劣化している場合,湧水が多い場合,砂質土系統の地山である場合などです.泥岩系の地山の場合,その地山が付加帯堆積物であるとボーリング孔の周辺が特に地山の劣化が著しく,天端崩落の原因となることがあります.
どうしてもセンターでやりたい場合はどうするか.当たり前と言えば当たり前ですけど,掘った後,ボーリング孔をセメントミルクでグラウトすることです.多少圧力を加えて注入すればかえって地山改良になって,少なくともボーリング孔の周辺で天端崩落が発生することは防げるでしょう.
トンネルセンターを外してボーリングをする場合に注意しなければいけないことは,ロックボルトに当たらない距離だけセンターから離すことです.坑口付近では,場合によっては6mのロックボルトを打ちますから,ぎりぎりセンターから11m,余裕を見れば15mくらいセンターから離すのがいいと思います.
と言うようなことを,バックホウで掘れるトンネル切羽を見ながら考えました.
セ記事を書く
セコメントをする