ヤコブ・ラプキン、鵜飼 哲 訳、イスラエルとパレスチナ ユダヤ教は植民地支配を拒絶する。岩波ブックレット、2024年10月(電子書籍版)。
2024年8月に書かれた日本語版への序文が強烈です。
「植民地主義的なシオニストの夢は一貫して、相互の尊重に基づく共存と平和を求めることよりも、パレスナ人をまるごと厄介払いすることでした。」
1800年代の半ば頃のパレスチナは、オスマン・トルコの辺境の属州でした。住んでいる人々は、宗教、種族、言語の異なる様々な集団のモザイクでした。アラビア語が共通語の役割を果たしていました。
そして話は創世記の時代へと飛びます。トーラー(ヘブライ語聖書の最初の五巻、モーセ五書)との規範的関係がユダヤ人を伝統的に特徴づけてきたものです。そこにはユダヤ人が優越性を持つという観念は全く含まれていません。
シオニスト(パレスチナ回復・祖国建設を目指した運動を担った人々)が現れる前は、イスラームとユダヤ教ほど共通点が多く、相互理解のチャンスに恵まれた二つの宗教は存在しないと言われていました。
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