2019年12月7日,札幌市の「かでる2・7」で北海道総合地質学研究センターの第8回公開講座,宮下純夫氏(新潟大学名誉教授)の「変動する地球:気候変動−地質学的視点から気候変動・地球温暖化を考える−」が開かれました.
講演する宮下純夫氏
世界の平均気温は明らかに上昇しています.
1890年から2010年までの間に約1℃上昇しているというデータがあります.紀元0年からで見ると,10世紀頃に温暖期が,17世紀頃に寒冷期がありましたが,1900年以降,加速度的に気温が上昇しています.その結果,山岳氷河の厚さが減少したり,ハリケーンの発生頻度が増加したり,海水面が上昇したりといった影響が出ています.
地球温暖化の要因としては,化石燃料,特に石炭の燃焼による二酸化炭素(CO2)の増大,永久凍土の融解によるメタンガス(CH4)の放出などがあります.大気中の二酸化炭素濃度は,産業革命が始まった1760年頃(280ppm)から急激に増大し,現在は400ppm (約408ppm:気象庁)を越えています.
大規模な火山噴火によって気候変動が起きます.
1993年は寒い夏となり,梅雨が明けることがありませんでした.これは,1991年にフィリピンのピナツボ火山が噴火し,成層圏に達した大量の噴出物によって太陽光が遮られたためです. 1815年のインドネシア・タンボラ火山,1783年のアイスランド・ラキ火山,紀元前1630年頃のギリシャ・サントリーニ島カルデラ,約7,300年前の屋久島の北にある鬼界カルデラ,約7万4千年前のインドネシア・トバカルデラなど,人間の歴史に影響を与えた火山噴火がありました.
*パワーポイントの No.25 では,「ギリシャ・サントリニート島」となっていますが,Santorini です.
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