田中宏幸・大城道則,ミュオグラフィ ピラミッドの謎を解く21世紀の鍵.2017年9月,丸善出版.
ユニークで面白い本です.
高エネルギー地球物理学の田中氏と古代エジプト史の大城道則氏の共著です.
第1部ピラミッドは,大城氏が書いています.最近のピラミッドやミイラについての研究の成果が詳しく述べられています.写真や絵が載っているので理解しやすいです.
第2部ミュオグラフィでは,ミュオグラフィの原理・測定方法から最近の成果まで詳しく述べられています.
強く興味を引かれたのは,三浦半島,房総半島,伊豆半島で行った既存トンネルでのミュオグラフィの成果です.三浦半島中部ではミュオグラフィによって,広域的にトンネル上部の地盤の密度が得られていて地質分布とよい一致を示しています(Tanaka,H K.M.,2015 のFigure 10:この論文はウェブサイトからダウンロードできます).
ミュオグラフィは,様々な対象に適用されつつあります.この本に紹介されているのは次のような分野です.
火山;日本,イタリア
鉱床:カナダ
遺跡:ギザの三大ピラミッド,メキシコのテオティワカンのピラミッド群
地下空洞(鍾乳洞):ハンガリー
氷河の基盤岩:スイス・アイガー氷河
二酸化炭素地下貯留効果判定:イギリス,アメリカ
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