NHK取材班による本です.今回の東日本大震災で得られた様々な観測記録から,日本列島の地震・津波災害について何が言えるのかをまとめたものです.
さすがNHKと思わせる取材力で,第一線の成果を紹介しています.3.11の地震が巨大化したメカニズムとして,これまで認識されていなかった超巨大なアスペリティが動いたこと,さらにプレート間の変動が宮城沖から福島沖へと場所を移して行ったこと,これまで地震が起きないとされていた海溝寄りの浅いプレート間でも変位が発生したこと,海底地すべりが発生していたことなど,総合的に今回の地震のメカニズムに迫っています.
今回の地震で日本列島だけでなく,全世界的に地震の活動期に入ったのではないかと言う.地震考古学からのアプローチも紹介されています.さらに,巨大地震と火山噴火との関係についても述べられています.
今回の地震で何が分かったのか,我々はどう備えなければならないのかを考えさせてくれる内容です.
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